ますですブログ

思ったことや感じたことなど。

時間を吸い取るYouTube

こんばんは。約2週間ぶりの更新です。

 

皆さんは普段どれくらいYouTubeで動画を観ていますか?こんなブログを読みに来る人はそれなりにYouTubeを利用されている方が多いんじゃないかと勝手に推測してるんですが、僕自身、普段から結構YouTubeを利用しています。基本的にパソコン開いてるときはブラウザのタブにYouTubeが常駐している感じですね。論文書いているときとか無音だとなんか気分が乗らないので、何かしらBGMとして動画を流していることが多いです。

 

BGMとして音楽流してるだけなら別に何の問題もないんですけど、まあ僕という人間は意思がヨワヨワなもので、少し作業が落ち着いたらYouTubeで面白そうな動画とかないかどうかすぐ探しちゃうんですよね。で、面白い動画とか見つけちゃったらそのまま関連動画も観ちゃったりして、いつの間にか数時間が過ぎていると。何度も後悔しては同じことを繰り返している感じです。止められないんですよね、麻薬と同じで。麻薬やったことないですけど。だからタイトルにもあるように、YouTubeには恐ろしい時間を吸い取られているんですね~。

 

で、今回は僕がYouTubeで普段どんな動画を観ているのか、少し整理してみようと筆を執りました。そんなわけで今回はいつにも増して自分語り記事になっていますし、需要なんて微塵もないとは思いますが、まあ自分のブログだし、時間が経ってから「あーあの頃はこんな動画観てたのか~」なんて回顧するときの素材にでもなればいいかなと考えているところです。なんで、多分面白くはないです(そもそも普段の記事は面白いのだろうか?)。

 

まずは無難なところから行きましょうか。ペット系の動画です。

 

①プピプピ文太

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かなり有名なペット系チャンネルだと思うので、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。シベリアンハスキーの文太君の動画ですね。もうとにかく文太君が可愛い。ご機嫌なとき、顔がアザラシみたいになるのがとっても可愛い。あと飼い主のお姉さんのキャラがすごく良くて、何より可愛い(方言も可愛い)。法学部の院生かロースクール生っぽくて親近感ある。最近サブチャンネルを作られたみたいなんですが、そちらはお姉さんがメインの動画が多くてGoodです。最近はもうなんか文太君を見るために動画を観ているのかお姉さんを見るために動画を観ているのか分からなくなってきてます。

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②inosemarine

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こちらは柴犬のマリちゃんの動画ですね。このマリちゃん、ただ可愛いだけじゃなくてとっても賢いんですよ。ここのチャンネルでアップロードされている動画は全部、マリちゃんと飼い主さんのコント(?)なんですが、「この子は本当に犬なのか?」って思うくらいマリちゃんがハイレベルな芸(というか演技と表現したいレベル)を披露しています。中でも僕が好きな動画は「ボイトレ犬」です。飼い主さんのセンスもすごく良くて、この飼い主さんあってのチャンネルだなって思います。マリちゃんが長生きできますように。

 

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次は、まだ無難な感じのお笑い系の動画です。

 

③ガーリィレコードチャンネル

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デブ3人とガリ1人、計4人のお笑い芸人がバリエーション豊かなネタ動画をアップしているチャンネルです。こちらもかなり有名なチャンネルなので、ご存知の方も多いと思います。デブが米津玄師のモノマネをしている動画を一度ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。多くのお笑い系チャンネルとは違い、このチャンネルのほとんどの動画には編集が入っていないのでよく「デブのホームビデオ」って言われているのですが、そのホームビデオ感がすごく良い雰囲気を出してるんですよね。デブが狭い部屋の中で暴れたり走り回ったりご飯食べたりしているのを観て、僕は癒されています。

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ダンビラムーチョ

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このチャンネルはものすごく人を選ぶチャンネルです。なぜなら、ここで投稿される動画のほとんどは「野球部あるある」だからです。ですので、野球部に所属したことのない人には何が面白いのか伝わらなかったりするんじゃないかと思いますが、野球部所属経験のある人であればきっとこのチャンネルの虜になるかと思います。特に「理不尽な理由で夏の構想から外される」シリーズは必見です。あ、ここまでの文章で察することができると思いますが、僕は中学校時代野球部に所属していました。運動神経終わってるので万年ベンチでしたが。

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⑤レインボーコントチャンネル

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お笑いコンビのレインボーがコントネタを投稿しているチャンネルです。このチャンネルと言えば「リモートコント」ですね。世間ではコロナ騒動をきっかけにビデオ通話をする機会がぐんと増えましたが、レインボーコントチャンネルはそのビデオ通話を効果的に使ったコントネタを積極的に投稿して一躍有名になりました。かく言う僕も、リモートコントから入ったクチです。レインボーと言えば池田氏(細い方)のハイクオリティな女装を交えたコントネタですが、投稿ごとに女装とお化粧のレベルが上がっていて驚かされます。知らない人が見たら女の人だと思うんじゃないかな。個人的に好きな動画は、「~~したら別れることになったカップル」シリーズです。

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ここまではお笑いで、次はアニメ系ですね(1個だけですけど)。

 

ガンダムチャンネル

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その名の通り、ガンダムの色んなアニメを観ることができるチャンネルです。2020年10月現在だと、ガンダムUCガンダム00ガンダムSEEDZガンダムなんかが毎週更新されているみたいですね。僕は中学生時代にガンダム00を観ていたくらいであまりガンダムには興味なかったんですけど、たまたまこのチャンネルでファーストガンダムアムロのやつです)を観て、ちょっとハマっちゃいました。と言っても、ファーストガンダムガンダムUCガンダムORIGIN、それとガンダム00程度しか観てないんで、深くは言及しません(ガチファンに絡まれると面倒なので)。

 

この次辺りから、若干キモくなってきます。

 

ウェザーニュースLIVE

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気象情報提供会社のウェザーニューズが提供するお天気情報番組、「ウェザーニュースLIVE」をYouTubeで閲覧できるチャンネルです。僕に付き合ってこんなところまで読んでくださった読者の皆様は、恐らく「なぜここにきてお天気番組?」と思っていらっしゃることでしょう。分かります。さっきまでと趣が違いすぎますからね。

 

わざわざ僕がこのYouTubeお天気チャンネルを観る理由は簡単です。お天気キャスターが可愛いからです。多くは語りません。次の動画を観てください。

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⑧ウェザーロイド Airi(ポン子)
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はい。ついに馬脚を現しましたね。

 

……ウェザーロイドAiriは、先ほど言及した株式会社ウェザーニューズに所属する「高性能お天気アンドロイドお姉さん」で、最近は毎週木曜日夜22時から1時間配信を行っています。ものすごく高性能で番組中に全身の骨がグチャグチャに折れたり空を飛んだり透けたりするので、視聴者からは「ポン子」と呼ばれています。またここ3年くらいはVtuberとしても活躍していて、9年目の新人として頑張っています。ウェザーニュースに所属する山岸愛梨キャスターがポン子ちゃんのマネージャーを務めていているのですが、山岸キャスターもとても可愛いんです。ん?やまぎしあいり…………?

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あとはモンハン実況者で有名なよしなまとか厨ポケ狩り講座で有名なもこう先生のチャンネルも観てるんですが、この辺りはさすがに言及するのはやめておきます。

 

ということで、僕がよく観ているYouTubeについてでした。どれか気になったのがあれば是非ご覧ください。オススメはinosemarineチャンネルですね。無難なので。

京都の銭湯リターンズ

みなさんこんばんは。

 

このブログを何度か見てくれたことのある方、この間の更新でどうせあと1年間くらいは更新しないだろうとか思っていませんでしたか?

 

……まあ僕自身、こんなに早く更新する気はなかったんですけど、久しぶりにブログを書いたらまたそれなりにアクセス数があったので、またちょこちょこ更新していこうかな~と思っています。そんなに更新頻度高くはないと思いますけどね。

 

で、今回は何について書こうかというと、タイトルにあるように、京都の銭湯に関する記事を書こうかと思います。実は以前にも、「京都の銭湯」ってタイトルで記事書いてるんですよね。この記事では、2019年当時僕がよく通っていた銭湯(サウナの梅湯・五香湯・天翔の湯・山城温泉・松葉湯・船岡温泉)を割と詳しく紹介していますので、よかったら見てってくださいな。

 

masudesu.hatenablog.com

 

でなんでまた同じ京都の銭湯のことを書くのかというと、この1年半の間に上記の銭湯以外にも色んな銭湯に入ってきたからなんですね。あと、個人的な都合で京都の銭湯について紹介記事を書く機会があったので、その記事を流用してやろうという魂胆でもあります。割と力入れて書いた記事なんで。ということでさっそく京都の銭湯を見ていきましょー。

 

下の画像は、京都御所を中心に、その周辺にある銭湯をプロットしたものです。白い線が主要大通りで、白黒の破線は大まかな線路図ですね。青色が川、緑色が寺社仏閣等になってます。京都在住の方は視覚的にスッと位置関係が理解できると思いますが、多分京都の街並みに馴染みのない方だと大雑把すぎて難しいかもしれません。この地図はPowerPointで自作したものなので、許してやってください。

 

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銭湯マップ

地図上にプロットされたAからQまでのアルファベットが、銭湯の大まかな位置ですね。結構アバウトなので、大体の位置関係を認識する際の参考程度に考えてもらえると嬉しいです。あと、このエリアにある銭湯全てを記載しているわけではないです。自分がまだ行ったことのない銭湯を紹介するのは気が引けたので、載せてません。

 

で、マップの銭湯についてはこんな感じで紹介してます。2ページで記事書く必要があったので、必要最低限の情報だけ載せてます。営業時間と定休日、サウナの収容人数、水風呂の大きさ、露天風呂の有無、あと僕の個人的な一言コメントです。なお、この記事は新型コロナ騒動の前に作成したものなので、特に営業時間など、実際のそれとは異なっている可能性が高いです。あしからずご了承ください。

 

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銭湯リスト

こうやって並べてみると、色々面白いんですよね。月曜と火曜が定休日の銭湯が多いこととか、リスト化する前は考えてもなかったです。あと結構遅くまで営業している銭湯が多いですね。一番遅くまで営業しているのは紫野温泉で、なんと夜の3時まで営業しています。夜型人間にはとてもありがたい銭湯です。

 

京都の銭湯並べるだけだとあんまりオリジナリティがないので、2020年版個人的に好きな銭湯ランキングでも発表しておきましょうかね。

 

第3位は「松葉湯」です。オススメポイントとしては、銭湯なのに露天風呂があることを挙げることができるでしょう(京都には露天風呂のついてる銭湯結構あるんですけどね)。室内風呂は結構温度高目で熱かったりするんですけど、露天風呂は外気に晒されているからか割と適温で、長時間ゆったりとお風呂を楽しむことができます。あと先程の画像にもありますが、銭湯の中にショーウィンドウ(?)があって、その中にたくさんのインコが飼われているんですよね。お風呂に入りながらインコを眺めることができる銭湯ってまあないと思うので、楽しいです。水風呂が若干冷ためでそんなに長く入っていられないのがウィークポイントですかね。

 

第2位は「紫野温泉」です。オススメポイントは、さっきも軽く触れましたが深夜3時まで営業している点です。僕はクソ夜型人間なので、深夜まで営業している銭湯は本当にありがたいです。あとここの銭湯にも露天風呂があります。サウナ入った後に水風呂に入って、その後露天風呂エリアで外気浴するのがサイコーに気持ち良いんですよ。あとこの銭湯、結構広くて色んな種類のお風呂があって楽しいです。サウナも広めでいい感じです。ウィークポイントは何ですかね、うーん、たまに背中にお絵かきしている人を見かけるとこでしょうか。まあ結構京都の銭湯はどこでも見かけるんですけどね。

 

そして栄えある第1位は「栄盛湯」です。この銭湯、上に挙げた2つの銭湯のように別に露天風呂があるわけではありませんし、そこまで広いわけでもありません。サウナと水風呂の大きさも別に特筆するものでもない。にもかかわらずなんで第1位なのか。それはもう、たまたま僕の好みにビビっときたからとしか言えません。なんでしょうね、しいて言語化しようとすれば、適度なレトロ感のある佇まいや、混み過ぎず空き過ぎずの適度な客入り、冷た過ぎずぬる過ぎずの適度な温度の水風呂、なんかが好きなポイントです。あと家から近い。これが一番大きいかも。ウィークポイントはなんでしょう、特にないんですけど、しいて言えば比較的閉店時間が早いことですかね。特に今はコロナのせいで23時閉店になってて、クソ夜型人間の僕には少しつらいところです。

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個人的に好きな銭湯、栄盛湯の外観

 

 

以上が、2020年度版「京都の銭湯」です。いやー銭湯大好き。時間とお金に余裕があれば毎日でも通いたいところです。それではまた会いましょう。

お部屋をリモート研究室にするぞ計画

どうも皆さんこんにちは。1年近くブログを放置し続けておりました。ごめんなさい。

 

さてさて、時が過ぎるのは本当に早いもので、このブログを開設してから2年が経過しようとしています。最初の頃は毎週1本投稿とか目指していたんですが、ものの見事に失敗しましたね。今や1年につき1本ペースです。

 

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ページビュー推移(2018年10月1日~2020年9月28日)

 

こんな完全放置状態のブログなんですけど、上のグラフにあるように、ブログの更新を丸1年サボっていても意外と毎月安定して300件以上のPV(ページビュー)があるんですよね。おかげさまで累計PVは8677になっていますし、来年には1万の大台を超えそうな感じです。アクセス解析を見る感じ、去年の九州一周記事

 

電車で九州一周旅行記【前編】 - ますですブログ

電車で九州一周旅行記【後編】 - ますですブログ

 

や一昨年末に投稿した研究室紹介記事

 

ある文系大学院生の研究室 - ますですブログ

 

がかなり閲覧されているみたいです。特に後者の研究室紹介記事なんて、Googleで「文系 研究室」で検索したら上から3番目に挙がってくるようになってるんですよ。全然参考にならない記事ですし、アクセスしてくれた人にはすごく申し訳ない気持ちです(笑)。

 

まあ詳しいアクセス解析はまたいつか別の記事でするとして、今回はタイトルにもあるように、「お部屋をリモート研究室にするぞ計画」について書きたいと思います。ぱっと見意味のわからない計画ですが、これまで風呂に入って寝るだけの機能しか果たしていなかった下宿部屋を、最低限の研究ができるように改造しようという計画ですね。

 

皆さんご存知の通り、今年は新型コロナウイルスが猛威を振るっておりました。特に4月から5月にかけては、多くの社会人の方が在宅勤務を強いられていたかと思いますが、私のような大学院生も研究室(というか大学そのもの)から締め出され、在宅研究をせざるを得なくなりました。確か4月8日くらいに大学当局から「4月11日からお前らの席ねぇから!」というお達しがあって、3日で急いで荷物をまとめて在宅研究に移行することになったんですね。

 

いつかどこかの記事で書いたような記憶があるのですが、私は基本的に研究室で研究を行っていることが多く、下宿はもっぱら風呂に入って寝るだけの空間になっていました。食事も大体食堂とか外食で済ましていましたから、本当に風呂に入って寝るだけです。だから下宿にはベッドとソファと折り畳みの簡易デスクしかなかったんですね。ということで、1か月くらいはソファに座りながら、簡易デスクの上にノートPCを設置して研究(というかほとんど学振の申請書作成作業ですが)を続けていました。

 

ちなみに僕が使っていた簡易デスクは下のやつで、色んな用途に使えるかなり便利なもの(2019年に購入した物の中で、一番気に入っている商品です)なんですが、本格的な作業には向いていません。天板がそんなに広くないので、ノートPC一台置いたら余裕なくなっちゃうんですよね。それに、座れるものはソファしかありませんから、ソファの前にこの簡易デスクを置いてPC作業をしないといけないわけです。ソファって大体、くつろぐことをコンセプトに設計されてるものですし、これも長時間のPC作業には向いてないですよね。集中力が持たないのなんの。

item.rakuten.co.jp

 

世間では5月中旬ごろに緊急事態宣言が解除され始め、晴れて在宅勤務から解放された方も多かったようですが、大学界隈だけは全くそんな気配もありませんでした。少なくとも春学期中(8月まで)は大学に入れないだろう、いやいやもしかしたら今年度は大学に入れないんじゃないか、当時そんな会話を院生仲間たちとしていたのを覚えています。こうしてコロナによる大学封鎖もいつまで続くか分からないなかで、5月下旬に入り、僕は決意しました。仕方ない、だったら色々設備を揃えて下宿部屋を研究室化してやろうじゃないかと。幸い、国から10万円のお小遣いも支給されていましたし、貯金にも余裕がありました。

 

てことで通販サイトで色々購入して出来上がったのが、下の写真です。

 

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おうち研究室

結構すごくないですか?(自慢)。新しく購入したのが、L字デスク(8000円)・オフィスチェア(9000円)・モニター(12000円)・プリンター(15000円)・HDMIケーブル(1000円)・HDMI変換機(6000円)・クッション(1000円)・ブラインド(1000円)・その他(1000円)です。ノートPCとマウス、時計、モニター1台、HDMIケーブル1本は既に持っていたので計算に入れないとして、これ全部あわせて54000円です。ワオ!

 

特に強調したいのはトリプルディスプレイですね。元々デュアル(2枚)ディスプレイで作業していたんですが、在宅研究開始を機にもう1台モニターを増設しました。大体、メインディスプレイ(ノートPCの画面)でWordを開いて論文を書いて、右のディスプレイに論文執筆に必要な参考資料(WordファイルやExcelファイル、PDFやWebページ等)を開いて、左のディスプレイでYouTube等を開いて動画を流す、って感じで使っています。ウィンドウを何度も切り替える必要がなくてとても快適です。よく「デュアルディスプレイに一度慣れるとシングルディスプレイには戻れない」なんて言いますが、トリプルに慣れるとデュアルやシングルには戻れないです。

 

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夢のトリプルディスプレイ

 

あとはL字デスクとオフィスチェアですかね。両方、楽天で買いました。ただこれは僕のように在宅勤務を機にデスクとチェアを購入される方が多かったようで、注文してから届くまでものすごい時間かかりましたね。オフィスチェアは注文から2週間ほど、L字デスクに至っては1か月近くかかりました。特にデスクは待つのがつらかったなぁ……。

 

デスクは下の8000円のやつです。L字デスクって相場だと大体1万円以上するんですが、このデスクはかなりお手頃でした。当該ページを見ると分かりますが、デスクの端に小さい棚が付いていて小物置きとして結構便利に使えます。あとそんなに大きくないタイプのデスクなので、そこまでスペースを使わないのも良かったです(そんなに部屋が広くないので……)。かなりオススメですよ。

item.rakuten.co.jp

 

オフィスチェアは下の9千円のやつです。オフィスチェアもピンキリで高いやつだと何万円もするんですが、イスには大したこだわりもないので、ヘッドレストがあってリクライニング機能があるものという条件で、楽天で安めのイスを探しました。で、使用感ですが結構いい感じですね。難点を挙げるとすればメッシュタイプのイスなので、少し深めに座ってると前にずり落ちそうになってしまうことでしょうか。あとそんなにクッションが深いわけではないので、長時間座っていると尾てい骨あたりが痛くなりがちな点ですかね(僕が痩せ型でおしりに脂肪がほとんどないことも影響していると思います)。この2つの点はどうしようもないので、ニトリで1千円の低反発クッションを買って対応しました。上の写真に写ってるグレーのやつですけど、結構いい感じです。

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個人的にはトリプルディスプレイの設定方法とかプリンターについてとか色々書きたいことはあるんですが、どう考えてもそんなものには需要ないと思いますので、ここまでにしておきます。あ、あとここまでに色々楽天のリンクとか貼ってますけど、僕はアフィリエイト登録とかしていないのでそこは安心してください。何回リンク踏んでも僕の懐には一銭も入ってきませんのであしからず。

 

僕がこの記事で強調したいこととしては、L字デスクとオフィスチェアはそんなにお金かからないので2万円以内で快適な環境をつくることができるということと、マルチディスプレイは最高だということでしょうか。既にリモートワークしている人がかなり減っている現状、そんな人はあまりいないとは思いますが、在宅勤務や在宅研究のために自宅環境の再考を検討している人の参考になれば幸いです。

 

それではまた会いましょう。

夢のひと月20万円ふたたび

どうも読者の皆さまご無沙汰しております。約7か月ぶりの更新ですね。人間の怠け癖とは恐ろしいもので、ブログの開設記であれだけ偉そうなことを言っておいて半年以上もブログを放置しておりました。嬉しいことにこのブログのアクセス解析を見ると更新していない半年の間もひと月につき300~500回くらいアクセスされているので、なんかもう申し訳なさでいっぱいです。ほんとすみません。

 

で、今回半年ぶりに筆をとり(キーボードを叩き)、ブログを更新したのはタイトルの通り、夢のひと月20万円の結果発表が今日行われたからです。そう、学振の結果発表ですね。去年の学振の結果発表(不採用)については、こちらの記事を参考にどうぞ。今回の記事は同じような内容です。さあ、果たして今年の結果やいかに。

 

masudesu.hatenablog.com

 

 

 

 

結論から言うと、不採用でした。ハァ~(クソデカため息)

 

 

いやね、前の記事でも書いたんですけど、学振って5人に1人しか採用されないんで簡単に言ったら倍率5倍なんですよ。でもね、ただの5倍じゃないですよ。全国の並み居る博士課程のほとんどの大学院生、当然東大や京大を含むわけですが、そんなエリートたちを相手にして、5人に1人しか採用されないんですよ。だからめちゃくちゃ難しいわけなんです。だからだから、「どうせ俺なんか採用なんてされないから~」「まあ採用されたら超ラッキー、みたいな?笑」とか思ったり、周りに言いふらしたりしてるんです。

 

でもね、やっぱり心のどこかでは「受かってたらいいな」って思ってるんですよ~~~~~~~~~~~~!!!!!

 

で蓋を開けてみたら【不採用】じゃないですか。

 

うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーってなりましたね。しかも申請書に対する評価を見てみたら、かなり惜しいところで落ちてたみたいで。それ知ったら余計にうわーーーーーーーーーーーーーーーーーってなりました。去年もう1本論文を書いていればとか、もっと申請書ブラッシュアップしておけば良かったとか、色んな思いが頭の中を駆け巡っていくわけです。今年で大学入学してから8年目になりますが、8年目で一番悔しかったことは何かって聞かれたら今回の学振不採用を挙げるくらいです。ハァ……。

 

とりあえず、誰かの何かの役に立つかもしれないので、前回記事と同じく申請書に対する評価をこの記事で紹介していきたいと思います。

 

下の画像は、僕が申請した区分における「不採用者」のうちのおおよその順位です。

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そう、A評価だったんですね。画像の通り、今回の学振不採用者の中で、上位20%に位置していたそうです。だからもう少しで採用(もしくは面接審査)されていたかもしれないわけです。去年はB評価だったので去年よりも評価が良くなっているのが唯一の救いですが、どのみち結局不採用になっているんで、何も救われないです。まあ全国の並み居るエリート(不採用者)の中で上位20%には入っていたんだと思い聞かせて、心を落ち着かせましょう。そうしないと死ぬ。

 

次の画像は、僕が提出した申請書に対する具体的な評価内容です。

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どの評価も3以上のスコアを採っているので、各評価では「良好である」、総合評価では「採用してもよい」にあたることになります。ちなみに去年は①研究者としての資質が3.50、②研究計画が3.00、③研究計画遂行能力が3.83、④総合評価が3.17だったので、③研究計画遂行能力以外はスコアが伸びています。これはシンプルに嬉しいですね。今年はかなり力を入れて申請書を欠いていたので、②研究計画が0.5ポイント伸びている一方、業績の数が少なかったのか、③研究遂行能力が0.5ポイント下がっています。だからなおさら「去年もっと論文を書いていれば……」って気持ちになります。

 

それにしても、①~③の平均をとれば去年と今年でそこまでの大差はないはずなんですが、④の総合評価はかなりの差が出ています。総合評価は何か独特の算出基準があるんでしょうかね。今回の結果を見る限り、研究遂行能力が総合評価に与える影響は他の2つと比較すると小さそうです。

 

次の画像は、学振申請者中の偏差値っぽいスコアです。

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画像にある通り、スコア3.0の場合、全申請者のほぼ中位(50%)に位置します。去年は3.071だったのですが、今年は3.206にアップしています。去年「3.071ってほとんど中間やんけ!」と思って少しがっかりしたんですが、3.206で不採用者の上位20%以内になるわけですから、スコアの幅はそこまで広くないようです。将来学振を受ける人は参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

以上が今年の結果です。ここで去年の記事を引用してみましょうか。

 

まあ全国の博士課程在籍者の中で半分くらいの順位に自分が位置していると考えると、そんなに悪い気もしないので、夢の20万円は獲得できなかったけれど少し気分は軽い。とはいえ落選したことは重く受け止めるべきだ。来年は必ず獲得したい。そのためには業績を重ねなければならないし、より研究を深めていかなくてはならない。

 

こう書いているように、去年はそこまで気分は重くなりませんでした。でも今年はかなり気が重いです。相当この結果を引きずりそうです。これを読んで、全国の中位くらいにいるだけで何を安心しているんだとシバき倒したくなります。それからもっと論文書いてればもしかしたら受かってたかもしれへんのやぞ!と小一時間問い詰めたくもなります。でも今頃何を言っても意味はないんですよね。去年はこれからもがんばるぞって気分でしたが、さすがに今回はかなりヘコんでいます。

 

この悔しさをバネに、今後よりいっそう研究活動に力を入れたいと思います。

 

あ、あとたまにブログも更新しますんでこれからもよろしくお願いしますね。

電車で九州一周旅行記【後編】

前記事(電車で九州一周旅行記【前編】)の続きです。前記事では主に、福岡・大分・佐賀の3つの県を旅した内容を書きましたので、今回は長崎・鹿児島・宮崎(あとちょっと熊本)を旅した記録を書きます。それではいきましょー。

 

 

【4日目・2月26日(火曜日)】長崎→島原→熊本→鹿児島

朝9時頃、目を覚ましてスマホを触った途端、顔が引きつった。明らかにスマホのインターネット接続速度が遅いのだ。九州一周旅行のちょうど中盤に差し掛かったところで、ついに通信制限にかかってしまったのである。よりによって、一番移動がややこしい長崎で。最悪。急いで身支度を整え、公共スペースのWi-Fiを利用しながら当日のスケジュールを立てることにした。

元々、島原・天草の乱に関係する観光地を巡る予定だったのだが、どうも調べてみると、公共交通機関だけでは相当回りにくいらしい。そこで、予定を変更し、この日は長崎市内の著名な観光地だけを巡り、そのあと島原(長崎県)の「多比良港」から熊本県北部の「長洲港」までフェリーで移動したうえで、長洲駅から熊本駅を経由して新幹線で一気に鹿児島中央駅に移動することにした(前編で書いた通り、熊本県には4年前に訪れたことがあるので、今回はスキップすることにしている)。下のGoogleマップで表示しているように、九州の左半分を距離にして300キロ近く一気に南下するわけだから、相当大変だ。 

移動ルートを決定したら徒歩で回れる長崎市内の観光名所と名物料理を検索し、簡単なスケジュールを作成してカプセルホテルを後にした。

 

宿を出てすぐに向かったのは、長崎で有名なカステラ屋さんの「松翁堂」。朝ごはんにカステラでも食べようと、Googleマップの現在地付近で「カステラ」と検索していたらヒットしたところだ。なんでも、この松翁堂は「桃カステラ」というカステラが有名らしい。全く目にしたことがないのでGoogle先生に聞いてみると、桃カステラ長崎県内でしか食べることができないらしい(と言いつつ後日宮崎でも同じものを見た)。さっそく購入した(700円)。実際はこの日の夜に食べたのだが、下の画像がその桃カステラである。桃をかたどっている部分は全てシュガーコーティングなので、死ぬほど甘い(桃の味はしない)。「ゲロ甘い」という表現以外で形容しがたい味だったが、小腹がすいているときには最適のおやつだと思う。多分朝ごはんには向いていない。

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長崎名物「松翁堂」の桃カステラ

 

桃カステラを購入した後は、そのまま歩いてすぐの場所にある長崎新地中華街に向かった。ただ、10時半頃に向かったのがどうも早すぎたようで、どのお店も開店しておらず、通りも閑散としていた。大通りに置いてあった看板を見てみると、どうやら2月19日まで「ランタンフェスティバル」をしていたらしい。通りの先にあった公園では、そのランタンフェスティバルの解体作業をしていた。

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長崎新地中華街

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ビックリするほどガラガラ

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日本っぽくない風景が見られるのが、長崎の良いところ

 

さて次の目的地は、長崎名物のちゃんぽん麺である。こちらもGoogle先生に尋ねてみると、大浦天主堂のそばにある「四海楼」さんがちゃんぽん麺の発祥だそうだ。ちょうど大浦天主堂に行きたいと思っていたところだったので、さっそく歩いてその四海楼に向かった。現地に到着したのは11時ごろ。四海楼は11時半からしか開いていないらしいので、周辺で適当に時間をつぶした。そのとき近くで周辺の観光スポットを示した看板を見つけたのだが、ここから徒歩圏内に大浦天主堂からグラバー園オランダ坂など著名な観光地が集まっているらしい。超ラッキーだ(あと写真見れば分かるが、ガチ快晴)。

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四海楼の近くで見た観光者向け看板

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すぐ目の前は海

適当に周辺をブラブラしていると11時15分くらいになったので四海楼の前まで歩いてみると、平日であるにもかかわらず、既に入り口の前に10組ほど客が並んでいる。これはヤバいと思って急いで最後尾についた。ちなみに今回の九州旅行で僕が列に並んだのは、これが最初で最後である。平日パワーすごい。

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四海楼の外観(でかい)

11時半になると、店内の5階に案内された。並んではいたがそれもかなり前の方だったようで、難なくテーブルにつくことができた。しかも、長崎市を見渡せる窓近くの席だ。なんか運良すぎないか?と思いつつ、四海楼名物のちゃんぽん麺とゴマ団子、杏仁豆腐を注文した(合計2000円弱)。皿うどんも有名らしいが、さすがにちゃんぽん麺と皿うどんの2つを一度に食べることができるほどデブではないので、諦めた。複数人で旅行していればこういうときに料理をシェアできるのだが、仕方がない。

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長崎市を見渡せる展望レストラン

注文して料理が運ばれてくる間にも、どんどん店内に客が増えていく。11時半ピッタリに来ていたら、恐らく30分以上は待たされていただろうと思うほどだった。よかった。そうこうしていると、注文したちゃんぽん麺が届いた。下の画像で見ると少し小さく見えるが、ボリュームはしっかりしている(特に具が豊富!)。特に良かったのがスープで、さすがちゃんぽん麺発祥の地だなぁと思わされる、深みのある味だった。何を言っているか分からないと思うが、僕に食レポは期待しないで欲しい。デザートのゴマ団子も杏仁豆腐もとても美味しかった。もう昼の時点で満足してしまった。

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元祖ちゃんぽん麺

 

おなか一杯になったところで、四海楼を後にした。次に、先程看板で見かけた大浦天主堂に移動する。徒歩5分で到着した。さっそく入り口で入館料(1000円)を払い、中に入る。相当個人的な話になるが、学部時代に受講した講義でブックレポートに指定されていた遠藤周作の『死海のほとり』を読んでから、遠藤周作の作品がとても好きになった。遠藤周作は日本人とキリスト教をテーマにいくつか作品を書いており、ついこの間マーティン・スコセッシ監督によって映画化された『沈黙』に代表されるように、いくつかの作品では長崎が舞台となっている。で、その遠藤周作の作品に『女の一生』という小説があるのだが、その内の一編がまさにこの大浦天主堂を舞台にしたものなのだ。それもあって、昔からこの大浦天主堂に行ってみたいと思っていた。

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大浦天主堂の外観

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「信徒発見」を模したレリーフ

この大浦天主堂は、幕末の日本で長崎の隠れキリシタンが発見された場所として有名である(いわゆる信徒発見)。教会内や協会に隣接するキリシタン博物館では、この信徒発見や二十六聖人殉教についての説明がなされている。どちらについても関心が深かったので、吉野ケ里遺跡と同じように、周りの観光客が15分くらいで大浦天主堂を出ていくところ1時間半ほどかけて展示を見て回った。時間はかけたのだが、館内撮影禁止だったので、残念ながら写真はほとんどない。

 

大浦天主堂を見て回った後は、そのすぐ隣にあるグラバー園に向かった。さすが全国的に知名度のある観光地とあって、グラバー園は他の観光地よりも観光客(ただしほとんど外国人)が多かった。ゲートで入場料(610円)を払って少し進むと、目の前には野外エスカレーターが設置されている。ほとんどの建物が急な坂の上にあるため、エスカレーターでないと移動が大変なのだ。とても便利なのだが、前に並んでいた家族連れの子供が下の僕の方に転がり落ちそうになって、若干怖かった(大人でもちょっとバランスとりにくい)。エスカレーターを使って上に辿り着くと、前日の唐津城同様、天気が最高だったので素晴らしい景色を見ることができた。

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グラバー園からの眺め

園内には、有名なグラバー邸をはじめとして、たくさんの洋館と綺麗に整えられた庭園が並んでいる。もっとも、そのグラバー邸は耐震工事中で見ることはできなかった。さっきの中華街もそうだが、この日の長崎は修理中の場所が非常に多かったようだ(平和公園の像も修理中だったらしい)。まあ逆に考えれば、グラバー邸が修理中の姿なんてなかなか見れるものでもないだろうから、それはそれでラッキーなんじゃないだろうか。グラバー邸以外の豪華な邸宅も見ることができたし、特に不満はない。

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耐震工事中のグラバー邸

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グラバー園にある邸宅の1つ。名前は忘れた

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これもグラバー園にある邸宅の1つ。名前は忘れた

写真にあるように、グラバー邸を中心として、グラバー園の各邸宅やその庭園は綺麗に整えられ、観光客の目を楽しませている。僕も途中まで穏やかな気分でそれらを見ていたのだが、途中の邸宅の1つに掲げられていた展示に記された内容を読んで、何とも言えない気持ちになったのが強く印象に残っている。掲示の内容はグラバー園を建造したトーマス・グラバーの息子倉場富三郎(1871~1945)についてのもので、掲示そのものは記録していないものの、同様の内容がWikipediaにあったので引用しておく。

 太平洋戦争開戦後、イギリス人との混血児だった富三郎はスパイ嫌疑をかけられ、官憲の監視の下で不自由な生活を強いられた。武蔵建造の機密保持を理由にグラバー邸を退去させられたり、1943年にワカに先立たれるなど不幸な晩年を送り、更に原爆投下により故郷が壊滅した事が追い打ちとなり、終戦直後の1945年8月26日に長崎の自宅で首吊り自殺を図り、死亡した。享年74。

時代に翻弄された悲劇の人、という表現ではチープだろうか。倉場富三郎について特に何か知っているわけではないが、何故か彼に感情移入してしまい、あの掲示を見てからグラバー園を出るまでずっとモヤモヤしたままだった。

 

とまあ暗い話はここまでにしておいて、九州一周旅行に戻ろう。グラバー園を出た後、そのまま出島へと向かった。大浦天主堂しかり出島しかり、日本史の教科書に出てくる場所が徒歩圏内に密集しているのが長崎の強みだと思う。ただ、この出島、外から見る限り別に「出」ているわけでもないし、「島」であるわけでもない。細い川の岸辺の一部の建造物を全て幕末っぽくしただけのような感じだった。出島内にはオランダ領事館跡があったのだが、時間も限られていたしで、結局出島は周りを見るだけにしてさっさと長崎駅に向かった。

 

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こう見ると出島っぽいが……

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出島内のオランダ館

18時10分多比良港出発のフェリーに乗船するため、16時ちょうど長崎駅発の快速列車に乗り込んだ。諫早干拓で有名な諫早駅を経由して、島原鉄道を使って多比良駅に向かうという流れである。所要時間は1時間45分、運賃は1580円だった。多比良駅から多比良港は、大体徒歩10分ほどの距離にある。多比良港に着くとそのまま歩いて多比良港に向かい、乗車券(440円)を買ってフェリーに乗船した。やっぱりフェリーの旅は旅情があって良い。18時10分、夕焼けの雲仙岳を背に多比良港を出発した。

長洲港までのフェリーの旅は、大体45分ほど。船酔いの可能性があったので揺れを心配したのだが、ほとんど揺れを感じることもなく、快適な船旅だった。若干天気が下り坂で、日の入りを見ることができなかったのが残念だった。

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夕焼けの多比良港

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フェリーから見た雲仙岳

 

熊本県北部の長洲港に着いた頃には、外はもう真っ暗だった。Googleマップによれば長洲港から長洲駅までは、大体徒歩で30分ほど。全く土地勘のない長洲の街を、通信制限にかかって瀕死のGoogleマップを頼りに歩いた。Googleマップが指し示す通りの道を30分歩いていると、無事長洲駅に辿り着くことができた。通信制限にかかっていても、意外と何とかなるものだと今後の旅についての不安が若干軽くなった。

長洲駅からは前述の通り、熊本駅まで鈍行で移動し、そこから新幹線で鹿児島中央駅を目指す長距離移動(乗換案内アプリによれば、距離にして207キロ)の旅になる。全部鈍行を使っても良かったのだが、5時間以上かかって時間が無駄な気がしたので、2時間程度で鹿児島まで移動できる新幹線を使うことにした。どうせだから、事前に2枚準備していた学割証の1枚を使えばいいかとの算段である。通常運賃であれば7170円かかるところを、6000円ちょっとで済ますことができた。そこからは電車に揺られるだけでいいし、鹿児島までの新幹線のWi-Fiを使って宿の予約をすればいいか———と軽く思っていたが、この考えは非常に甘かった。

 

熊本県に着いた後、どうせならと熊本駅内のラーメン屋で熊本ラーメン(900円)を食べた。半チャー付きにしたが、チャーハンは無しでも良かった(ラーメンは美味しかったです)。

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熊本駅内のラーメン屋で食べた熊本ラーメン

腹も十分ふくれた後、鹿児島中央駅前のカプセルホテルを検索した。……が、なぜかどのカプセルホテルも予約を受け付けていない。時間(21時ごろ)が遅いからか?と疑ってみるものの、前日までは普通に同時間帯でも予約が取れていたので、そんなことはないはずである。ヤバイヤバイと思いながら、検索を続ける。しかし、ここで通信制限が足を引っ張る。全くスムーズに検索できない。新幹線の出発時刻が迫っていたので、急いで荷物をまとめて熊本駅のホームに移動した。土曜に乗った博多駅行きの新幹線ではWi-Fiもつかえていたし、新幹線内のWi-Fiを使えば検索も楽になるだろうと考えたのだ。しかしこの考えは甘かった。新幹線に乗って分かったのだが、どうやら九州新幹線ではWi-Fiが飛んでいないらしい。一気に僕の顔から表情が消えた。

仕方ないので車内で宿泊先を検索するが、通信制限のかかったスマホではなかなか検索結果が表示されない。さらに運の悪いことに、熊本-鹿児島中央間の路線はトンネルが多いらしく、何度も圏外になった。検索するには全く向いていない状況だったわけだ。もう後半はあきらめて不貞寝した。どうせ鹿児島中央駅に行けば、Wi‐Fiが飛んでいるだろうとの魂胆だ。しかし、この目論見も外れることになる。鹿児島中央駅に、Wi‐Fiは飛んでいなかった。2日前に佐賀のカプセルホテルで考えたフレーズが脳裏に蘇ってくる。「このご時世あり得んだろ」。

ということでカプセルホテルは諦め、ビジネスホテルに宿泊することに決めた。接続状況の非常に悪いスマホで検索した結果、鹿児島中央駅からすぐの東横インの一室(4600円)が空いているらしい。すぐさま予約を入れ、ホテルに向かった。夜12時前だった。この日は(主に精神的に)疲れてヘロヘロだったので、シャワーを浴びてすぐに寝ることにした。今後の旅が思いやられた。

 

出費:大体17800円(78830円)

 

【5日目・2月27日(水)】鹿児島→宮崎

この日は事前予定では九州旅行最終日。天気予報によれば、午後から天気が下り坂で、夜には雨が降り始めるらしい。これまで晴天に恵まれ続けていたので、ようやく来たか、と思った。雨の中観光するのはごめんだったので、雨が降り始めるまでに鹿児島駅に向かい、そのまま電車で宮崎市に向かってフェリーで神戸に戻る計画を立てた。このとき、ちゃんとフェリーの出向時間とその時間に間に合う電車を確認していなかったことが、今回の九州旅行最大の失敗となる。

 

10時前にチェックアウトを済ませた後、路面電車に乗り込み、西郷隆盛像がすぐそばに位置する朝日通駅に向かった。鹿児島市内の路面電車は運賃が170円だ(なお、長崎の路面電車は運賃120円)。初乗り料金が日本で一番高い京都市営地下鉄や運転のクソ荒い京都市営バスを普段利用している身からすると、本当に良心的な価格設定だなと感心する。話を戻して、駅から数分歩くとすぐに西郷隆盛像が見えた。東京の西郷隆盛像は浴衣で犬を連れているが、鹿児島の西郷隆盛像は軍服姿だ。心なしか凛々しく見える。

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西郷隆盛

 

西郷隆盛像を見た後は、そのちょうど裏手にある「城山展望台」へと向かった。この展望台からは、鹿児島市内と桜島が一望できるらしい。西郷像から10分ほど歩いたところに登山口があって、そこから遊歩道を進んだ。当然、展望台であるから、山道を徒歩で登っていくわけである。グラバー園唐津城のように、エレベーター・エスカレーターがあるわけではない。息を切らしながら1キロほどの山道を登り続け、20分ほどでようやく展望台に辿り着くことができた。普段歩かない人間にとってなかなか大変な道のりだったが、とても良い景色を見ることができた。

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城山展望台から見た鹿児島市内と桜島

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意外と栄えている鹿児島市

先程述べたように、天気が下り坂だったため、最高の桜島を見ることができたわけではないが、噴火活動を続けている火山をこれまでに見たことが無かったので、とても興奮した。あと、展望台に吹いている風がとても心地よかった。

 

城山展望台を降りた後は、展望台のふもとにある黎明館(歴史博物館)を訪れた。ここまで読んでいれば十分わかると思うが、僕はこういった歴史的資料を見るのがとても好きなので、ワクワクしながらこの黎明館の門をくぐった。すると、どうも館内が異常に空いている。人がまばらというか、観光客は片手で数える程度しかいない。いくら平日とはいえ、そんなことはないだろうと思って入館料を支払おうとすると、スタッフから「1階から3階まである展示場のうち、修理のため現在2階部分のみしかご覧いただけませんが、それでもよろしいでしょうか?」と聞かれた。長崎の中華街・グラバー邸に続き、3つ目の修理工事である。こんなことあるのか。

とはいえここで帰るのは違うので、2階部分だけでも見ていった。なぜか学生は大人料金ではないらしく、学生証を見せたら190円で入館できた。ずいぶん安い。閲覧可能な資料は、主に民俗関係のものと、鹿児島にゆかりのある人物の歴史的文書だった。印象に残っているのは、教科書・資料集にも載っている征韓論の錦絵だろうか。歴史資料の大半は修理中の1階にあったらしく、めちゃくちゃ悔しかったが、せっかくなので他の民族コーナーなども1時間以上かけて見て回った。また次来た際に見たい。

 

黎明館を出た後は、Googleマップ上に表示されていた「ザビエル公園」というよく分からない場所に行った。実際に現地に行ってみると、まあまあしっかりしたザビエルの銅像が設置してあり、少し得をした気分になった。多分ここ、ほとんどの人が素通りしているんじゃないだろうか。

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ザビエル公園(中央がザビエル像)

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ザビエルってこんな顔してたのか

ザビエル公園を出たら、そのまま鹿児島市の繁華街である天文館通り(大きなアーケード商店街的なやつ)に向かった。事前調べでは、昼ごはんに向いているような鹿児島の名産品は、黒豚しかなかった。ただ、黒豚のとんかつのような黒豚メインの何かを食べる気でもなかったので、もう何度目だという感じだが、ラーメンを食べることにした。天文館通りを適当に歩いていると、ラーメン屋が2件並んでいる小さな通りに出た。1軒はスープに黒豚をふんだんに使用した豚骨ラーメン、もう1軒は黒豚をチャーシューに使った老舗のラーメン。これまで相当豚骨ラーメンを食べたので、今回は後者の「こむらさき」を選んだ。ラーメン1杯900円となかなかの値段だったが、値段に見合ったおいしさだった。特に黒豚を使用したチャーシューが絶品で、誇張抜きでこれまで人生で食べてきたチャーシューの中で一番おいしかった(上に乗ってるキャベツ炒めも良いアクセントになっていて最高)。最優秀焼豚賞を授与した。

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天文館こむらさきのラーメン

ラーメンを食した後は、そのままの勢いで「むじゃき」の白くまを食べに行った(500円くらい)。この「むじゃき」は、アイスで全国的に有名な、あの白くまの発祥の地らしい。といっても、ここで提供されるのはアイスではなく、かき氷である(下画像参照)。いい歳した男が一人、カフェでこのかき氷を貪っているわけだから、周りから見るとさぞ滑稽だっただろう。しかし、一人旅3日目にもなってくると、そういった目線はほとんど気にならなくなってくるのだ。

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むじゃきの白くま

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上から見ると白熊に見えることから、白くまと名付けられたらしい

一人で白くまを食した後、天文館通りから路面電車に乗って鹿児島駅へと向かった。この鹿児島駅も修繕工事中で、もう何度目やねんと思いながら時刻表を見ると、次の電車まで1時間以上もある。ここ県庁所在地だよな?と思いながら、仕方ないのでその辺りの観光地を探す。びっくりするほど何もない。完全に鹿児島駅よりも、鹿児島中央駅の方が栄えているようだった。しかしせっかく旅行に来ているのにイスに座ってぼーっとしているのも嫌なので、Googleマップ先生に近くの観光地を尋ねてみると、どうやら2キロほど歩いたところに森有礼の生誕地があるらしい。しかたないので、歩いてそこまで向かうことにした。

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森有礼生誕地

この石碑を見に行くまでの道中、道行くトラックが何やら黒い砂埃を巻き上げているのを目にしたとき、一気にテンションが上がった。そう、桜島の火山灰である。少し前の桜島の画像を見れば分かるが、この日は完全に反対側に向かって風が吹いていたので、火山灰は確認することができなかった。でも、道路の上にはまだ少し火山灰が残っているのだ。よく足元を見てみると、ところどころ黒い砂が溜まっている場所がある。また、そこら辺の家に停まっている車を見てみると、車体全体が汚れている。繁華街ではこういった火山灰の跡は確認できなかったのだが、住宅街に出てみると、そこら中にその片鱗を見ることができるのだ。わざわざ2キロほど歩いて森有礼生誕地まで来てよかったと思った。

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後で分かったのだが、風向きが変わって火山灰がこちらに飛んできていたらしい

その後、鹿児島駅から宮崎駅行の電車に乗った(2480円)。途中、降りる予定のない国分駅で下車してしまい、追加で1時間ほど待ち時間が生じてしまうなどのハプニングを挟みながらも、3時間くらいで宮崎駅に到着した。ちなみにこの鹿児島ー宮崎区間の路線は尋常じゃないくらい縦揺れが激しく、乗り物酔いしやすい人なら顔面蒼白になるだろうなと思った。これも誇張抜きで、人生で一番揺れの激しい電車だった。

大体19時ごろに宮崎駅に到着し、いざ宮崎港フェリー乗り場へとバス停に向かったところ、いつまでたっても宮崎港行きのバスが来る気配がない。不審に思ってバスの時刻表を確認すると、なんと宮崎港行きのバスは1日に1本、しかも17時50分にしか発車しないらしい。1時間以上も前にバスは出ていたのだ。後で確認してみると、宮崎発神戸行きのフェリーは19時10分にしか出港しない(勝手に22時10分だと勘違いしていた)ので、宮崎港行きのバスが1本なのは当たり前だった。

 

さて、この時点で、九州、しかも事前調べで「(電車旅する人にとって)めぼしいものは何もない」と酷評されていた宮崎県でもう一泊が確定したのである。しかも不幸なことに、鹿児島駅を出発したころから九州では雨が降り始めていた。当然傘など持っていないし、宿の予約もしていない。今まであれだけラッキーだったツケが、全て最終日に回ってきたということだろうか。

1つだけラッキーだったことは、宮崎駅内でWi‐Fiが飛んでいたことである。今までどの駅でもWi-Fiが飛んでいなかったので、本当に宮崎駅の先進性に感激した。駅で電波を拝借しながら宮崎駅付近のカプセルホテルを検索すると、佐賀県と同じく、宮崎市内にはカプセルホテルは1つしかないようだった(しかも徒歩15分の距離にある)。まあ仕方ないと思いつつ電話してみると、当日予約は現地でしかできないらしい。意味の分からないシステムに若干イラっとしながらも、雨の中の宮崎市を傘なしで突っ走ることを決心した。ただでさえ金を使いすぎている上に旅程が1日追加されたわけなので、もう傘すら買いたくなかったのだ。

極力雨に濡れないよう、街路樹の下やその辺の店の軒下を選んで1キロ以上走り回った結果、大して濡れることもなくカプセルホテルに到着することができた。息を切らしながらチェックインを済ませ(3200円)、自分のカプセルに向かうと、このカプセルホテルもまた、各カプセルにコンセントが備え付けられていないことが分かった。しかも、ホテル内の公共スペースにすら、Wi-Fiが飛んでいなかった。さらに、既に近くのカプセルで寝ているオッサンが豪快なイビキを立てている。終わってんなと思いながら、荷物を置いてコンビニに夕食を買いに出た。さっきより雨が強くなっていた。ホテル付近には街路樹もなかったので、今度はしっかりビショビショになってホテルまで帰った。この日の夕食はカップ麺と軽い軽食だった(300円ほど)。全体的にクソみたいなとこだなとは思ったが、併設された大浴場とサウナがまあまあ良かったので、ぐっとこらえた。スマホも死んでいるので、この日はさっさと寝た。相変わらずオッサンのイビキはうるさかったが、城山展望台を上り下りしたり、相当歩き回ったりしていた疲れもあってすぐ眠りにつくことができた。

 

出費:7740円(累計86570円)

 

【6日目・2月28日(木)】宮崎→神戸

あまり長居したくもなかったので、目が覚めるとすぐに朝風呂に入り、さっさとチェックアウトした。ホテルから出ると、昨日僕を苦しめた雨は上がっているようだった。安心した。で、前日ちゃんとした夕飯を食べおらずお腹がすいていたので、近くのうどん屋でうどんを食べた(330円)。佐賀で食べたうどんと同じく麺にコシが無く、またテンションが下がった。九州のうどんは僕に合わないようだ。

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ヤシの木の生えた宮崎市内の大通り

このとき、スマホの電波と電源を確保することが喫緊の課題だった。うどん屋で両方を確保できる施設を検索すると、近くのタリーズコーヒーWi-Fiとコンセントがあるらしい。すぐにタリーズに移動してホットコーヒーを注文し(300円強)、申し訳なさを感じつつスマホの充電をした。ついでに、宮崎市内の観光地を検索したところ、徒歩圏内とは言いにくい距離の場所に、宮崎神宮平和台公園という、まあまあ良さげな観光スポットがあることが分かった。あと、今度こそ100%フェリーに乗船できるよう、フェリー・バスの出発時間を確認し、念には念を込めてフェリー乗り場に一度行ってみることにした。

ということで、宮崎駅のすぐ隣でレンタサイクルを利用し、自転車を手に入れた(500円)。自転車があると、人間の行動範囲は一気に広がるものだ。徒歩45分の距離にあるフェリー乗り場にも、大体10分ほどで着くことができた。また、そのタイミングで乗船の予約も済ませておいた。予約を済ませた後は、先程調べた平和台公園に行くことにした。これも大体、フェリー乗り場から自転車で20分ほどの距離にあった。

 

さて、平和台公園といっても、多くの人は目にも耳にもしたことがないだろうと思う。かく言う僕も、平和台公園なんて全く知らなかった。Google先生に聞いてみたところ、平和台公園は1940年に造成された公園だそうで、その中にある「平和の塔」が有名らしい。で、その平和の塔の実際の姿がこちらである。

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平和台公園にある「平和の塔」

「平和の塔」と言うには、ずいぶん物々しい雰囲気である。全体的に色が黒いし、塔の周辺には何やら像が立っているのが見える。というより、塔そのものに、今のご時世だとかなり物議を醸しそうな四字熟語が彫ってある。「八紘一宇」。

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平和の塔に刻まれた「八紘一宇

僕は政治学専攻で日本政治を専門としているので、この四字熟語(とその歴史的背景)は知っているが、多くの日本人にとっては見慣れない四字熟語なんじゃないかと思う。先程、この平和台公園が造成されたのは1940年だと述べたが、要するにこの塔は太平洋戦争開戦前に国威発揚を目的として建てられた塔だ。もちろん、当時は「平和の塔」なんて言い方はせず、「八紘之基柱(あめつちのもとはしら)」と言ったらしい。で、1945年に終戦を迎えた際、この「八紘一宇」の四字熟語が軍国主義国粋主義を彷彿とさせるということで、米軍によって削除されたそうだ。「八紘一宇」の文字の周辺だけ妙に白くなっているのは、1965年になって再び復元されたからである。恐らく、コンクリートでも塗ったのだろう。ちなみに1964年の東京オリンピックの際は、この場所が聖火リレーのスタート地点(正確に言えば第二スタート地点)になったらしい。

この平和の塔の四方には、先程述べた奇妙な像が並置されている。順に、「奇御魂(くしみたま)」、「荒御魂(あらみたま)」、「和御魂(にぎみたま)」、「幸御魂(さちみたま)」と言うそうで、全て信楽焼でできている。このうち、武力のモチーフである荒御魂だけ、敗戦の際に米軍によって取り除かれたらしい。

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奇御霊(漁師らしい)

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幸御霊(農家らしい)

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和御霊(商人らしい)

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荒御魂(武人らしい)

こう見ると、荒御魂はちょっと映画の大魔神に似ている。個人的に面白かったのは、この平和の塔の礎石部分に何やら文字が刻んであること。例えば、下の画像の「北支秋山部隊本部」や「河南省前田隊」みたいに。調べてみたら、これらの礎石は当時、中国や満州の日本人団体から提供されたものだそうだ。勉強になる。

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「北支秋山部隊本部」と刻まれた礎石

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河南省前田隊」と刻まれた礎石

 

と、日本の近代史についての知識を深めていると、近くに「はにわ園」なる場所があることを示す看板が建てられていることに気が付いた。前編で述べたように、僕は日本史の中でも特に古代史が好きだ。ということで、さっそくそのはにわ園に向かって進んだ。最初に僕を出迎えてくれたのは、3体の埴輪だった。

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「踊る男」と「踊る女」

ヤバい、めちゃくちゃ面白い。順路に沿って、どんどんはにわ園の奥に進む。

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大量に埴輪が並んでいる

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一面緑の苔の上に茫然と立ち尽くす埴輪

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ラピュタ風「ひざまづく女」

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そこはかとないジブリ

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この一帯だけ、別世界に迷い込んだよう

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多分、人によってはホラーでしょうね

こんな感じで、30分くらい埴輪を楽しむことができる。苦手な人は苦手だと思うが、好きな人にはめちゃくちゃ響くと思うので、興味のある方はぜひ行ってみてほしい。ちなみに平和台公園もこのはにわ園も、無料で楽しむことができる。

あと、平和台公園にあるレストランで宮崎名物チキン南蛮を食べた(900円)。こういう施設に併設されているレストランなので、全く期待していなかったのだが、実際に食べてみるととても美味しかった。ということで、先ほど事前調べした際に「(電車旅する人にとって)宮崎駅周辺にはめぼしいものは何もない」との記述を見たと述べたが、これは全くのガセネタであると主張したい。少なくとも、この平和台公園(特にはにわ園)だけは熱烈にプッシュしたい。

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平和台公園で食べたチキン南蛮

平和台公園を出た後は、宮崎神宮へと向かった。「宮崎神宮駅」という駅があるほど、著名な観光地のようだが、正直なところあまり興味を惹かれるものはなかった。しいて言えば、神社にしては珍しい仁王像があったことくらいだろうか(他の神社では見たことがない)。下の写真を見れば分かるように、ここもほとんど人がおらず、すれ違った観光客は大学生カップル一組だけだった。

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宮崎神宮本殿への参道

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宮崎神宮本殿

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神社にしては珍しい仁王像


宮崎神宮を出た後、自転車を返しに宮崎駅に戻った。そのついでに、フェリーで食べる夕食(500円)や酔い止めの薬(700円)を購入し、さらに宮崎駅構内の土産物屋でお土産を購入した(計3000円ほど)。このときちょうど17時半ごろ。20分ほど17時50分宮崎港行きバスを待って、バスに乗り込んだ。宮崎港フェリーターミナルまでは、大体15分だった(270円)。

 

フェリーターミナルに到着すると、当日早めに予約していたこともあってスムーズに乗船できた。宮崎発神戸着のフェリーは「二等寝台」で予約しており、運賃は学割を利用して10900円だった。宮崎から新幹線を利用して関西まで帰っていると、これにあと15000円くらいプラスされてしまうので、片道約10時間とまあまあ時間がかかるとはいえ、船で帰った方が断然お得である。

先ほど述べた「二等寝台」は下の画像のような感じである。横幅80センチほど、縦幅180センチほどのベッドが自分のスペースになる。ちなみにこの別途がこの上にも1つ(要は二段ベッド)あって、1つの部屋にこの二段ベッドが合計8つある。つまり、1部屋に最大16人がひしめき合うというわけだ(当然、イビキをかくオッサンがいるので耳栓を持ち歩いた方が良い)。ちなみに画像で言えば、枕の上に小さな棚が設置されており、足元にはライトとコンセントがついている。最初からベッドに置いてあるのは、マットレスと枕、シーツ、ブランケットのみである。必要最低限の物資だけだ。歯ブラシやタオル等は、自分で持ってこなければならない。

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フェリーの二等寝台

今回の船旅における最大の懸念事項は、船酔いだった。僕は乗り物酔いに特段弱いというわけではないのだが、事前調べにおいて、太平洋航路を進むフェリーは瀬戸内海航路を進むフェリーとは比べ物にならないくらい揺れるとの情報を得ていたため、相当ビビっていた。だからわざわざ事前に酔い止めの薬まで購入したのだ。

あと、船酔いに関する情報を色々と学んだ。例えば、船が大きく揺れている間にフェリー内の風呂に入ると、船の揺れと水面の揺れが一致しないため、船酔いしにくい人間でも酔いやすいらしい。だから、これを避けるためにはフェリーが出向する前に風呂に入った方が良いそうだ(あと、単純にフェリーの風呂はクソ混む)。他にも、太平洋航路のフェリーに乗船する場合、波高3m以上になってくると船酔いする客が激増するらしい。僕がフェリーに乗った日の宮崎沖の波高は2.5mだったが、まだマシということだろう。

実際、酔い止めを飲んだおかげか、波高が所詮2.5mだったからか、疲れていてすぐに寝てしまったためか、この日の航海では船酔いせずに済んだ。それでも、波高2.5mというのはまあまあのもので、船が相当大きく揺れているのがベッドの上で寝ていても分かった(酔う人は酔うだろうな~と思った)。これだけの大きな揺れも、人生初体験だった。

 

その他、フェリーについていくつか書いておこう。先程少し触れたが、フェリーには風呂がついていることがある。今回利用したフェリーには、サウナ付きの大浴場がついていた。もちろん僕は大浴場もサウナも利用したのだが、多分今後海の上でサウナに入ることは二度とないんじゃないかと思う。貴重な体験をした。注意しなければならないのは、先ほど述べたように大浴場を利用する場合は、自分でタオルを持ってこなければならないということだ。今回、荷物を減らすためにバスタオルを持ってこなかったのだが、ここで余計な出費をすることになった。今回のフェリーでは、タオル貸出料として200円、盗難防止の保証金として300円の計500円を払うことになったのだ。ちなみに300円はタオル返却後に返ってくる(最初、使用料500円だと思っていたので最悪の気分だった)。あと、船酔いしてゲロったら全部無駄になるので僕は利用しなかったのだが、1500円払えば船内で割と豪華なビュッフェを食べることができるらしい。朝ごはんは400円だそうだ。自販機で売られている飲料品は大体、通常の1.5倍ほどの価格だった。ただの「紙コップ」を1つ100円で売っているのには笑った。

 

船内ではWi-Fiが飛んでいるが、60分を2度の使用制限がある。僕は夜に1度、朝に1度使う予定にしていたので、夜の使用制限を使い切った後、21時くらいには眠りについた。6日間の長旅の疲れがたまっていたのだろうか、船が相当揺れていたにもかかわらず翌朝6時まで一度も目が覚めなかった。

朝の6時ごろになると、到着時刻を知らせる船内放送がかかり始める。モーニングコールみたいなものだ。これで目を覚ました僕は大浴場で軽く朝風呂した後、日の出を見にデッキに出た。快晴ではなかったので、太陽が水平線から顔を出す様子を見ることはできなかったが、下の写真のように朝日が海面にオレンジ色の線を引きながらゆっくりと上昇する様子を見れてよかった。

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フェリーから見た日の出

神戸港に着いたのは朝7時半。神戸港からは神戸三宮まで210円のバスが出ているのでそれを利用し、神戸三宮からは阪急で京都まで帰った。これにて、僕の九州制覇の旅は幕を閉じた。


出費:17600円(累計104170円)

 

まとめ

正直に言えば計算したくなかったのだが、改めて計算してみると、やはり10万円を超えていたみたいだ。100キロ超の電車区間がいくつかあったので、もっと学割証を発行して持ち歩いていれば、もしかしたら10万円を切っていたのかもしれない。少なくとも、京都から博多までの新幹線をフェリーにしていれば、確実に10万円は切っていただろう(当日時間が無かったので無理な話ではある)。

 

まあ10万円がどうとかそういうのはどうでもいいのだ。今回の九州制覇の旅に10万円の価値があったか否かと問われたら、僕は間違いなくあったと答える。得たものが多すぎるくらいだ。まず、一人でこれだけの距離・日数を移動するという経験は今回が初めてだった。一人旅ゆえの利点や欠点などを理解することができたし、ある種の「耐性」が身に付いたような気がする。昔から個人行動は苦ではなかったが、昔以上に問題なくなったんじゃないだろうか。それに、何から何まで全て自分で計画し、それを実行する(もちろんそれによる失敗の責任は自分に返ってくる)という経験も、何気に始めてのことかもしれない。そう考えると、やはり今回の旅には大きな価値があったように思う。

 

と色々御託を並べたが、九州のその土地でしか食べることができない美味しい食べ物を食べ、九州のその土地でしか見ることのできない観光地を見るという経験を6日間、嫌というほど続けることができたのは僕の一生の思い出になると思う。

 

今回の前編・後編のブログは、今後僕がこの旅を思い出したいときの記録代わりに使いたいと思う。ちなみに最後まで述べなかったが、この記事は現時点で15500文字だ。前編後編合わせると23000字くらいになる。旅行記にしては長すぎると思うが、文字数の多さは、この旅への思い入れの強さを物語っているのだと思う。後半ほど文字数が増えるのも、きっと後半ほど大変だったからその分思い入れが強いということなんだろう。5年後くらいにこの記事を見返して読んだら、面白いだろうな。

電車で九州一周旅行記【前編】

大変ご無沙汰しております。1か月半ぶりの投稿となります。2月はちょっと忙しくて、なかなかブログが書けませんでした。1か月半の間に当ブログを訪れてくれた人がいるのであれば、この場をお借りしてお詫び申し上げます。ごめんね。

 

さて、実はタイトル通り、この1週間ほど主に電車(を主とする公共交通機関)で九州を一周していました。今回は、その旅行記を書きます。ルートや電車で巡れる観光名所、かかった費用なんかを全部オープンにしますので、電車で九州一周旅行をしてみたい人がいたら少しは参考になるかもしれません。

 

ただ、大分県には友人とレンタカーを借りて行ったので、大分県だけ電車関係ないです。タイトル詐欺ですね、スミマセン。福岡県からぐるっと反時計回りに宮崎県までが電車移動です。

 

 

前段階

 

今回、九州一周旅行をすることを決意したのは4か月前の11月のこと。もともと、学生の間に九州一周旅行がしたいと思っていたのだが、九州一周となるとカネも時間も結構必要になってくるのは計画を立てるまでもなく自明だったので、なかなか実行に移せなかった。転機は地元の友人の結婚式。その帰り道、3月頃に1泊2日くらいで九州旅行しようという話が持ち上がった。友人は皆とっくに社会人なので、九州に旅行するにしても土日に1泊2日が限度(旅程を伸ばすと予定が合わなくなる)なのだが、このとき僕は、「九州一周するならこのタイミングしかない!」と思った。そこで、1泊2日は友人たちと行動を共にし、彼らが関西に帰ってから、1人でゆっくり九州一周することに決意した。

 

ということで、友人との九州旅行は2月23~24日(土日)に行われることが決まったので、大体旅行一週間前くらいにその後の計画を練ることにした。計画といっても、どの県で何を食べるかや、どのルートで九州を一周するのかを決める程度だ。事前計画では、以下のようなスケジュールで、その下のような食べ物を食べることに決めた。

 

【ルート】

1日目:京都→福岡→大分(別府)

2日目:宮崎→鹿児島

3日目:鹿児島→天草

4日目:天草→長崎

5日目:佐賀→福岡→神戸→京都

 

【食べ物】

福岡:博多ラーメン・明太子・梅が枝餅

大分:別府冷麺・やせうま

宮崎:なんじゃこら大福

鹿児島:両棒餅・さつま汁・かるかん・白くま

熊本:辛子レンコン・陣太鼓・いきなり団子

長崎:長崎ちゃんぽん・皿うどん・カステラ・ミルクセーキ・よりより・寒ざらし

佐賀:呼子イカ

 

実は熊本県にだけ大学3年生の頃に行ったことがあったので、今回の旅では熊本県をすっ飛ばして鹿児島から長崎に島を渡って行くことにした。途中で天草と島原を通過するので、その際島原・天草の乱に関する名所を見るつもりだった。あと、佐賀と宮崎については下調べの結果、観光名所や名物料理が少ないということが分かったので、その土地の料理を1つだけ食べるくらいでも良いかな~と思っていた。その結果、友人らとの1泊2日を含め、5泊6日の旅行とすることを決意したのだ。

 

なお結局、これらはほとんど実現しなかった。

 

 実際のルートと旅程

 

それでは今回の旅行の全ルートを先に公開しよう。結局こういうルートで九州を回ることになった。タイトル「九州一周旅行」の左横のアイコンを押せば、僕がどういう順番で九州を回ったのかが分かる。

  

 「九州『一周』してなくね?」という批判が来るであろうことは大体予想している。しかし一応沖縄を除く九州全県に訪れているので、「九州全県を制覇した」という意味で「九州一周した」と言わせてほしい。いや、無理があるか。まあいいや。

 

旅程は次の通り。

 

1日目:福岡→大分

2日目:大分→福岡→佐賀

3日目:佐賀→唐津→長崎

4日目:長崎→熊本→鹿児島中央

5日目:鹿児島中央→鹿児島→宮崎

6日目:宮崎→神戸

 

そう、予定では4泊5日で九州から関西に帰ってくるつもりが、わけあって5泊6日もかけてしまうことになったのだ。しかも、元々立てていた予定では九州を時計回り(福岡の次に大分、その次に宮崎…)に移動するつもりだったのに、結局反時計回り(福岡の次に佐賀、その次に長崎…)で移動している。ほとんど計画を立てた意味が無かった。まあ計画のことをうだうだ言っていても仕方ないので、次からは実際の九州旅行を(豊富な)写真付きで振り返っていきたい。

 

【1日目・2月23日(土)】福岡→大分(別府)

前日バイト先の追いコンで朝の5時まで飲んでおり、布団に入ったのは午前8時、起床時刻は11時というスーパーグロッキー状態で旅行1日目を迎える。起床後、すぐに荷物を持って京都駅へ。事前に大学生協で新幹線を予約していたので、スムーズに乗車することができた。正確な金額は忘れたが、学割を使って13000円くらい(座って寝たかったので指定席)だったような気がする。高え。しかしさすが新幹線、高いだけあって3時間もあれば京都から博多まで来ることができるのだ。

博多駅に着いたら、既に博多入りしていた友人らと合流。友人が予約してくれたレンタカーに乗り、一路大分別府温泉へ。車内ではワードウルフ(これ→ワードウルフのルール|1人だけお題が違う!?面白すぎるワード系人狼 | )をやって時間をつぶした。ちなみにこれめちゃくちゃ面白いので、ヒマな時間があるときにオススメです。んで、高速を使って大体2時間半くらいで別府温泉に着いた。高速道路走ってても、別府らへんに来るとなんか窓を閉め切った車内でも硫黄のにおいがしてくるからすごい(多分誰も屁はこいていないはず)。

宿は友人が予約してくれたところ(湯けむりの里 東屋)。部屋がすんごい綺麗で広くてびっくりした。しかも地獄蒸し(温泉の地熱で蒸すこと)のゆで卵が無料でいくつでも食べられるのだ。さらに夕飯もめちゃくちゃ豪華だった。細かいメニューは覚えていないが、九州名物(?)の甘い醤油で刺身を食べたときの衝撃はものすごかった。いやむしろ、醤油の甘さ以外ほとんど覚えていないと言った方が正確なくらいだ。刺身を食べながら、俺は今砂糖醤油でも舐めているのだろうかと錯覚したほどだった。もちろん全部おいしかったけどね。なお、宿のお代は18000円くらい。1日目でいきなり3万円飛んじゃったよ。

 

残念ながら、1日目と2日目に撮影した写真の多くは友人が写っているので、ここに上げることのできる画像は少ししかありません。下の写真は、宿からの眺め。こんな感じで、町のいたるところから湯気が出ているのだ。大地の力ってすごい。大地(ガイア)が俺にもっと輝けと囁いている。

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大分の別府温泉

ちなみにこの日の晩は友人らと死ぬほどボードゲームをした。楽しかった。

 

出費:だいたい32000円

 

【2日目・2月24日(日)】大分→福岡→長崎

2日目、起床後朝食を食べて別府名物?「地獄めぐり」へ。知らない人からすれば「地獄」とは何ぞって感じだと思うので、説明しよう。といっても、下の画像を見ればすぐわかる。地獄とは、「超熱い温泉が湧き出ている場所」のことだ。ちなみにこの地獄の湯は90度以上あるらしい。何でこんな色をしているのかを説明する看板も立っていたが、内容は忘れた(シリカが云々かんぬん)。

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大分名物「地獄」

そしてこの地獄、とにかく硫黄臭がものすごい。この地獄の近くにいる限り、硫黄のにおいからは逃げることはできない。地獄めぐりをしていると、誰でも気軽に一生分の硫黄のにおいを嗅ぐことができるのである。この地獄にもいろいろ種類があって、上の地獄以外にも、泥の下から湯が沸き出る様子が坊主の頭に見えることから名づけられた「坊主地獄」や、真っ赤な色が血に見えることから名づけられた「血の池地獄」など、5~6個の地獄をめぐることができる。ちなみに共通周遊券的なチケットが2000円で売られている(もちろん買った)。あといっぱいワニがいる。ワニ。

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坊主地獄(名前があってるかは知らない)

 

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血の池地獄(これはあってる)

1時間ほど地獄めぐりをしたあと別府市街に出て、「とよ常」さんで大分名物とり天の定食(確か1200円)を食べた。天ぷらなので当たり前だが、衣がサクサクしていてとてもおいしかったのは覚えている。個人的にはタルタルソースよりポン酢で食べる方が好き。

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大分名物とり天

 

別府市街でとり天を食べた後は福岡県に戻り(この時点で事前計画から離れている)、太宰府天満宮へ。太宰府天満宮といえば、学問の神様菅原道真である。これからアカデミアの門を叩こうとする1人の大学院生として、太宰府天満宮は最高の観光地であり、これを素通りして他県に行くわけにはいかない。しっかりと菅原道真公に学業成就を祈願し、ついでにこれまた学業成就の御守(500円)を買った。100円で引いたおみくじは小吉という何とも言い難い結果であったが、「学問」の欄には「試験入学あせらず実力を示せば吉」とあった。残念ながら、試験入学の予定はない。

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太宰府天満宮の門

あと、境内の梅が見ごろでした。 

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太宰府天満宮の梅

 

旅行計画にあった「梅が枝餅(うめがえもち)」(約100円)も食べました。食べる前は長野で売ってるおやきみたいなもんかと思っていたのだが、全然違った。

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太宰府天満宮前で売ってる「梅が枝餅」

 

太宰府天満宮を出た後は、レンタカーを返却しに博多駅へ。レンタカー代やガソリン代、高速代などを6人で割り勘した結果、1人当たり7000円の負担に。思ったより安く済んだんじゃないだろうか。その後、友人たちは土産物を購入してそれぞれの帰途についた。

 

そして、ようやくここから僕の九州一周1人旅が幕を開けるのである。

 

まず博多駅で友人らと別れてすぐ、その日泊る宿を探した。今回の旅では、宿泊費をできるだけ抑えることで、その分食費を増やして贅沢をするという狙いがあった。なので、宿は全てカプセルホテルにするつもりだった。で、さっそく「佐賀 カプセルホテル」で検索する。すると、なんと佐賀県にはカプセルホテルは1つしか無いらしい。マジかと思いながら、すぐにネット予約した。3150円だった。ネカフェに泊まるよりは割高だが、ビジネスホテルに泊まるよりは安上がりだ。

 

その後、博多駅佐賀駅行きの電車(1110円)に乗った。博多から佐賀までは、意外と安く移動できるのだ。1時間半ほどして、佐賀駅に到着した。佐賀駅に着いてまず驚いたのは、駅前にほとんど何もないことである。ネットでの下調べの段階で、佐賀県には何もないという情報を目にしてはいたが、まさか(腐っても県庁所在地の名を冠した)駅前があれだけ閑散としているとは思いもしなかった。が、茫然としても仕方がないので、駅から15分ほど歩いたところにあるうどん屋でうどんを食べた(360円)。麺にコシが無くてテンションが下がった。丸亀製麺とかでコシのあるうどんばかり食べている身としては、物足りない感が強かった。

 

うどんを食べた後、カプセルホテルにチェックインした。佐賀駅から徒歩5分程度の立地なので、旅行者にはかなり嬉しい。このカプセルホテルにはサウナ付きの大浴場が併設されていたので、ゆっくり湯につかりながら疲れを落とした。個人的な考えだが、旅行などでカプセルホテルを利用するときは絶対、大浴場つきを選んだ方が良い。疲れの取れ方が全く違うからだ。で、風呂から上がってさあ寝るぞと意気込んだら、カプセル内にコンセントが無いタイプのカプセルだった。つまりスマホの充電ができないのだ。このご時世あり得んだろと思いながら、共用スペースのコンセントで充電した。今回スマホが無いと、乗換案内は見れないわ現在地も把握できないわホテルの予約もできないわで確実に野垂れ死んでしまうことが分かり切っていたので、充電はまさに死活問題になる。そしてこの問題は、このあとずっと僕について回ってくることになるのである。

 

出費:大体16000円(累計48000円)

 

【3日目・2月25日(月)】佐賀→唐津→佐賀→長崎

就寝時刻が夜の2時だったこともあり、この日の起床時刻は朝の9時だった。軽く朝風呂に入って支度をし、僕はカプセルホテルを後にした。さっそく向かったのは、日本史の教科書でもおなじみ吉野ケ里遺跡である。このブログでは触れたことが無かったが、僕は日本史が好きで、中でもとりわけ古代史が好きだ。昔から古代史が好きだった僕にとって、吉野ケ里遺跡は聖地みたいなもので、高校生のころから死ぬまでに一度は行ってみたいと思っていた場所だった。

 

佐賀駅から吉野ケ里遺跡のある吉野ヶ里公園駅までは、大体10分くらい(280円)。ただ、駅に着いてから公園まで大体1キロくらい歩かなくてはならない。駅名から推測するに、どうせ吉野ケ里遺跡が発見された後にできた駅だろうに、なぜ公園の入り口から1キロ以上も離れたところに駅を作ったのか謎だが、とにもかくにも、僕は遠くに見える遺跡にワクワクしながら歩みを進めた。

 

遺跡に到着してまず思ったのだが、人が全然いない。平日だからこれだけ人がいないのかとも思ったが、それにしても人がいなさ過ぎる。観光客よりもスタッフの方が多いんじゃないかとすら思うほどだった。あとものすごく広い。どこかに書いてあったが、サッカーコート20面分くらいの広さだそうだ。広すぎて、公園の中を無料バスが走っているほどだ(ちなみに入園料は460円)。すげえ。

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吉野ケ里遺跡内にある「環濠」

吉野ケ里遺跡といえば、日本史の教科書にも出てくる「環濠集落」の代表例だ。上の画像のように、吉野ヶ里公園ではその環濠や柵が再現してある。もちろん環濠や柵だけじゃない。画像のように竪穴住居や高床式倉庫、物見やぐらなども再現してあるのだ。しかも、これらのほとんどに入ることができ、当時に想いを馳せることができるのだ。最高!

 

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吉野ケ里遺跡内にある再現施設

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物見やぐらに階段があることからも分かるが、これ、登れる

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バカみたいに広い

途中に小さな展示ブースがあったのだが、普通の人であれば15分もあれば出るであろうブースを僕は1時間半ほどかけて見て回っていた(超幸せ)。一人旅でしかできないことだと思う。ただ、吉野ケ里遺跡に時間をかけすぎ、公園を出たころにはとっくにランチタイムが終了していた。しかし公園周辺では飯も食えないので、仕方なく神崎駅から佐賀駅へと帰った。なお、神崎駅の目の前に卑弥呼銅像が置いてあって面白かった。実はこの卑弥呼像、吉野ケ里遺跡の方角を指差している。邪馬台国論争はまだ決着がついていないのだが。 

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吉野ケ里遺跡を指さす卑弥呼

さて、予定では佐賀駅前で呼子イカの活け造りを食べるつもりだったのだが、ランチタイムを過ぎた、そしてただでさえ何もない佐賀駅の前ではどうしようもなかった。仕方がないので、佐賀駅裏にあった「ビッグ・ワン」という名前のラーメン屋で佐賀ラーメンを食べた(600円くらい)。店内でイノシシでも飼っているのかと思うほどの獣臭さがしたが、それだけ豚骨スープは格別の味がした。が、食後5時間くらいその臭いが鼻について取れなかった。

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「ビッグ・ワン」の佐賀ラーメン

その後、佐賀出身のゼミの同期にオススメしてもらった呼子イカを食べに唐津市へ電車で移動した。佐賀駅から唐津駅は、大体1時間くらいで移動できる(1100円)。唐津駅は、なんというか海沿いの町という雰囲気を感じた。唐津駅に着いたのは午後3時くらいだったのだが、イカの活け造りを提供している店は夕方5時からしか開店しないようで、2時間ほど時間をつぶす必要が生じてしまったので、適当にGoogle mapで検索して表示された唐津城に歩いていくことにした。

 

正直に言えばこの唐津城、完全に舐めてかかっていたのだが、城の見える場所まで歩いて来ると、俄然期待値が上昇する。絶景が見えないわけがないような、海沿いの高台に城が建ててあるからだ。しかも高台のふもとに行ってみると、なんと100円で高台をスキップできるエレベーターを利用できるらしい。きっとエレベーター設置に莫大な費用がかかっているだろうに、なんという恐ろしいおもてなし精神。そのおもてなし精神に恐縮しながら、唐津城と対面した。結構綺麗な城だ。後で見た場内の情報によれば、最近再建されたそうだ。

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唐津城の外観

道理で、中に入ってみると完全に近代化されていた。入場ゲートなんて、QRコード読み取り式だった。今までこんなもん見たことないぞ。城は4階建てで、階段を上っていくと天守閣に出ることができた。期待通り、最高の眺めだった。

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唐津市内が見渡せる

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もちろん海も見える

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玄海灘も見えるのだ

写真を見れば分かるが、この日はアホほど天気が良かった。それもあって、本当にいい景色を見ることができたと思う。子供のころにダイエーでよく聞いた、「玄海灘の潮風に 鍛えし翼 たくましく(中略)いざゆけ無敵の 若鷹軍団」という、知ってる人は知っている例のあの歌が脳裏に響きわたる。ダイエーといえばドムドムバーガーね。

 

素晴らしい景色に感動しながら、僕は唐津城を後にした。僕はこれまで、日本の城の中では姫路城が一番だと思っていたが、この日、その一番の座を唐津城に譲り渡した。個人的に、最優秀城賞を授与した。その後、待望の呼子イカの活け造り御前を食べた(2800円)。恐らくさっきまでいけすで泳いでいたイカなのだろう、その透明さが新鮮さを物語っているし、なんなら心なしか若干ピクピク動いている。そんな呼子イカは、背徳感の味がした。

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佐賀名物呼子イカの活け造り

しっかりとイカを味わった後、長崎へ向かうために唐津駅へと戻り、そのまま佐賀駅を経由して長崎駅へと向かう特急「かもめ」に乗った。所要時間は3時間弱、福岡→佐賀とは打って変わって、意外と時間がかかるようだ。また、特急なだけあって運賃も3710円した。さらに、その間にその日の宿を選ばなければならなかった。ネットで検索してみると、ファーストキャビンというカプセルホテルが評価も高いし値段も安い。ということで、その日の宿はファーストキャビンを選んだ(2600円)。

この選択は大当たりだった。できて1~2年しか経過していないようで最高にキレイだったし、設備も素晴らしかった。各カプセル(キャビン)にはコンセントが2つあるし、当然のようにWi-Fiも備えてある。加えて、各キャビンには盗難防止用のカギ付き物入が設置してあり、フロントでは無料の耳栓を配布している。また、若干狭いが大浴場もある。正直言って、これまでに泊ったカプセルホテルの中で一番快適だった。後で同期に聞いて知ったのだが、ファーストキャビンは全国展開している有名な簡易宿泊施設らしい。なるほど。それにしても2600円は安すぎませんか?

 

出費:大体13000円(累計61000円)

 

さて、ここまで3日分しか書いていないのに7500文字に到達している。あまり1つのブログにたくさん書いても、読むのが大変だと思うので、とりあえずここまでを前編として、後半部分は明日にでもアップしたい。ではでは。

 

【追記】

 

こちらが後編のURLです。

後編の方が「電車で」感があるので、よろしければどうぞ。

 

masudesu.hatenablog.com

 

質問箱設置のお知らせ

ブログを始めてから大体3か月が過ぎた。

 

3か月で18本の記事を書いているから、単純計算で1か月に6本、5日に1本くらいのペースでブログを書いているということになるだろうか。11月の間ほとんど休止状態にあったとはいえ、よく続いているなあと思う。

 

ただ、最近はブログを書こうとしてもお題に困ることが多くなってきた。日々思ったことや感じたことなどを記録するために始めたブログなんだけども、いざ記録し始めると、自分はそんなに普段から物事を深く考えたりする人間ではないと気付いてしまったのだ。

 

ということで、記事執筆のインスピレーションを得るため、今日からこのブログに「質問箱」を設置することに決めた。一昔前に色んなSNSで流行ったので、知らない人はそんなにいないんじゃないかとは思うが、一応説明しておくと質問箱とは、「箱を設置した人に対する質問を匿名で募るWebサービス」のことだ。僕も利用するのは初めてなので、よく分かっていないが、「匿名で」というところがミソなんじゃないかと思う。つまり、質問する人は自分の身分を明かさずにあんな質問やこんな質問ができるのだ。以下のURLから質問できるが、一応、このURLはブログのプロフィール欄に常設しておく。

 

peing.net

 

URL先のページにも書いてあるが、ブログでこんなテーマについて書いてほしいといった要望や、ブログを書いている僕自身に対する質問なども募集したいと思う。もちろん答えられない内容*1の質問については答えないけども、せっかくいただいた質問には答えるよう努力するつもりだ。ただ、誹謗中傷だけはやめてください。

 

あ、あと質問だけじゃなくて、ブログ記事に関する感想を書いていただいても構いません。この間ブログを読んでくれた人から、「記事にコメントしようとしたら、はてなIDを持っている人しかコメントできなかったので、コメントを諦めた」と言われたことがあった。正直僕もこのシステムについてはどうかと思うので、質問箱に感想を書いてくれてもOKです。感想をくれると筆者が喜びます。

 

それではよろしくお願いします。

*1:例えば、モロに僕個人の個人情報を聞いてくる質問や、イデオロギー色の強い質問など