ますですブログ

思ったことや感じたことなど。

命のお洗濯

今日は研究室の後輩と銭湯に行ってきた。

 

個人的にはどうもオッサンくさい感じがしてあまり口にはしたくないフレーズなんだけれども、「風呂は命の洗濯」という表現は実に本質を捉えたことばだと思う。銭湯で2時間ほどゆっくりしてきたおかげで頭はスッキリしたような気がするし、身体もいい感じに疲れて今夜はとても質の良い睡眠が取れそうだ。それでもせっかくブログを書くことが日課に近くなっているわけだから、とりあえず今回はお風呂について書いてみようかと思う。ちなみに今回の記事は全体的にすごくどうでもいいことしか書いていない。その点をあらかじめお断りしておきたい。

 

最近、「趣味は何か」と問われたときは「温泉・銭湯・サウナ(以下ではこれらを総称して「風呂」と呼ぶ)」と答えている。それくらい僕は風呂が好きだ。どれだけ忙しくても、必ずひと月に1回は温泉か銭湯に入るように心がけている。もちろんガチの風呂好きには到底敵わないと思うが、学生にしてはまあまあ風呂好きな方に分類されるのではないかと考えている。そりゃあ僕だって金と時間、あと近くに風呂屋があれば毎日でも通いたい。僕にとって月に1度の風呂は至高の贅沢である。

 

昨日の記事で書いたように、財政事情が極めて健全でない僕はできるだけ家賃を抑えるため、泣く泣くユニットバスタイプの安い賃貸アパートに住んでいる。そして哀しいことに、そんなユニットバスタイプの安い賃貸アパートに住むような下級層の人間には、「足を伸ばして風呂に入る」という、人間としての最低限度の尊厳を保つための基本動作すら許されない。風呂愛好家としては地獄のような環境である。だからなおさら、足を好きなだけ伸ばして入ることのできる、温泉や銭湯に対する渇望の念が強いのだ。

 

そしてここ1年くらいは、「サウナ沼」にもハマっている。いや、昔からサウナはよく利用していたし、特別この1年間でいきなりサウナに入り始めるようになったわけではないことは断っておきたい。ただ、正しいサウナの入り方を知らなかったのだ。ガキだったあの頃の僕はサウナを天下一我慢比べ会の会場か何かと勘違いし、ただ他人よりも1秒でも長くサウナ室内にとどまることだけを目的にサウナを利用していた。今から考えれば実にアホであった。昔の僕に一言伝えることができるのであれば、直接こう言ってやりたい。「サウナは戦いの場ではない、憩いの場である」と。サウナには正しい入り方がある。今回は布教の意味も込めて、その正しい入り方を書き記しておこうと思う。

 

  1. まず身体を清めるべし。温泉に来てそのままいきなりサウナに入るなど言語道断である。必ずかけ湯をして身体の汚れを落とすこと。なお事前に十分な水分補給を行っておくことが望ましい。脱水症状でぶっ倒れては意味がないのだ。   
  2. サウナ室に入る直前に水風呂に向かい、事前準備をするべし。もちろんいきなりサウナに直行しても問題はないが、快適にサウナを楽しむためにはある程度の事前準備を行っているほうが良い。僕はいつもこの段階で、風呂桶に水風呂の水をすくい、そこにタオルを浸しておく。このタオルを軽く絞ってサウナに持ち込めば、長期戦にも耐えることができる。そして風呂桶に残った水を足元にかけて準備OKである。
  3. サウナ室ではただ時間が過ぎるのを待つべし。サウナ室内の滞在時間は人それぞれだが、僕の場合は大体1回目が5分、2回目は10分、そして3回目で15分くらい。最初からいきなり10分以上滞在はまあまあしんどいので、回数を重ねるごとに時間を伸ばしていくスタイルを取っている。サウナ中の手持無沙汰な時間は、サウナにテレビがある場合はテレビを見るのだが、基本的にはないことが多いので、そのときは自分の肌が発汗している様子を観察するか、砂時計の砂が落ちるのをじっと見つめている。
  4. サウナから出た直後は、必ず一度シャワーかかけ湯で汗を流すべし。これをしないオッサンをたまに見かけるが、本当に迷惑な行為であるので控えてほしいものである。改めて言うまでもなく、サウナから出た直後は誰でも身体中汗まみれなわけで、そのまま水風呂に入ろうものならその身体中の汗が全て水風呂にブレンドされてしまうことになる。おっさんの一番搾りが高濃度でブレンドされた水風呂など想像するだけで吐き気を催すので、本気でマナーを守っていただきたい。
  5. シャワーで汗を流した後は、必ず数分は水風呂につかるべし。一度慣れるまで、初心者にとって水風呂は苦行でしかないのだが、水風呂に入り続けると「ある瞬間」から脳が覚醒するとともに身体の調子が良くなり、謎の無敵間に包まれるようになる。これをサウナ界では「ととのう」と呼ぶ。詳しい語源は知らないが、おそらく自律神経か何かが整っているのだろう。ちなみに水風呂から上がる目安は、深く息を吐いたとき、肺から気管を通ってゆく息がヒンヤリするのを感じるようになったときである。
  6. 「ととのった」ことを確認したら、再びサウナ室へと繰り出すべし。スペースが狭いことがほとんどである水風呂での長居は禁物である。水風呂を待つ他のサウナーのためにも、早めに場所を空けてあげよう。なお、「ととのった」状態で挑む2度目、3度目のサウナはそれ以前のサウナよりも数倍楽に感じるものである。最初の数分間など、サウナ室内が小春日和に感じてしまうくらいだ。

 

大体このサウナ室と水風呂の往復を3セット繰り返すのが基本的な流れになるだろうか。1セットだけでは十分にサウナの効能を得ることができないし、4セット以上は身体への負担が大きすぎるような気がする(もちろん個人差はある)。ちなみに秋や冬の時期であれば、水風呂の代わりに露天風呂に設置されたベンチなどで外の空気に触れるのも良い。一通りサウナと水風呂の往復を終えたとき、あなたは自分の中の扉が開く音を聴くことでしょう。そうすればあなたも立派なサウナーの1人です。

 

直接会った人には何度か熱弁している話ではあるが、本当にサウナは麻薬である。一度ハマってしまうと、もう止められなくなるのだ。こんなことを書いている今この瞬間も、僕はすぐ明日にでもまたサウナに入りたい気分になっている。